糖尿病はどんな症状が現れるのか!?

糖尿病検査結果

糖尿病は、発症すると身体のいろいろな部分に異変が現れ、進行すると深刻な合併症を発症する恐ろしい病気です。

しかし、初期段階の糖尿病は無症状で自覚もないことから発見が遅れることが殆どです。

どんな病もそうなのですが、初期の段階では治療もしやすく大事に至らないのですが、発見が遅れることが多い糖尿病は、完治が難しい病気でもあります。

一方、糖尿病の患者数は年々増加しています。

貴方は大丈夫ですか?

ここでは、自己診断に必要な糖尿病の症状についても掲載しています。

しっかり覚えて置くと、早期発見に役立ちます。

■ 糖尿病の患者数数と発見が遅れる理由

厚生労働省ではが3年ごとに調査を実施しています。

平成26年調査によると、継続的な治療を受けていると推測される糖尿病の総患者数は、316万6,000人で、前回の調査よりも46万人以上増加したと発表しています。

▼ 性別割合(平成26年調査)

男性:176万8,000人

女性:140万1,000人

糖尿病患者数の推移

厚生労働省調査

前回の調査に比べて男性で約30万人、女性で約20万人の増加となっている。

しかしこの数値は糖尿病発症による治療中の数で、その予備群まで含むれると、2000万人を超える調査結果も報告されています。

▼ 発見が遅れる

糖尿病は、自覚症状がほとんどないため、気付くのが難しいと言われています。

そのため、ある程度自覚症状が出た時点では既に病状が進行してしまっていることも多い病気で、糖尿病を発症しているのに気づかない場合、知らないうちに合併症が進行してしまうという怖さがあります。

■ 「足」に糖尿病の症状がないかチェックをしよう!

糖尿病の初期症状は、自覚症状がほとんどないという特徴があります。

ですが、気付いた時にはかなり病状が進行しているという、厄介な病気なのです。

足切断して義足で歩く

糖尿病になってしまった場合の身体への影響は多岐に渡りますが、中でも直ちに確認しなければならないのが合併症の発症です。

糖尿病による合併症の発症は足にでる場合が多く、年間数千人も足を切断しています。

▼ 足に出やすい糖尿病の初期症状

「糖尿病神経障害」は、糖尿病三大合併症のうちの一つで、その初期症状は「足」の異変が気付きやすのです。

  • その具体的な症状を確認しておきましょう。
  • かかとや指先の皮膚の乾燥、ひび割れ
  • 靴ずれを起こしやすい
  • 足の節や足先にタコができる
  • 足指の爪が巻き爪になりやすい
  • 爪肥厚や爪水虫などにかかりやすい

▼ 糖尿病神経障害がある場合の症状

  • 足のしびれ(指先がピリピリした感じがする)
  • 足のむくみ
  • 足に違和感がある
  • 足の感覚が鈍い気がする
  • 足が火照る
  • 足がつりやすい
  • ふくらはぎなどが痛む、疲れやすい
  • 気付かないうちに足にケガをしている
  • ジンジン、チクチクした痛みが断続的に起こるが、すぐに収まる

尚、これらの症状は、足に感じる痛みやしびれが「左右対称」に現れることが特徴です。

▼ 糖尿病は、なぜ症状が足に出やすいのか

血液流れ

糖尿病は血糖値が高い状態のままになるので、血液がドロドロになって流れにくくなっています。

ですから身体全体の血管のうち、末端の毛細血管では酸素や栄養が届きにくい状態が続いてしまします。

中でも心臓から遠い、足の末端である足首から先の血流が悪い状態が続きます。

このため、足に症状が出やすいのです。

  • 足裏の感覚が鈍くなった(石や布団の上を歩いている感じなど)
  • 足にケガをするようになった

など、すでに足の知覚異常を起こしている可能性が高いのです。

知覚異常で感覚がなくなれば、ケガをしても痛みを感じないので気付くのが遅れ、治療をしないまま放置してしまいます。

このため傷口から細菌などに感染し、血流が悪いことも加えて細胞が壊死するようなことが高くなります。

最も最悪の場合は、壊死した部分を切除しなくてはならなくなります。

ですから、知覚異常を感じる場合には、原因が何であれ注意が必要です。

▼ 早期発見するためには

血流が悪いことで、足のむくみ・しびれ・足がつるといった症状は、誰もが経験しているものです。

ですから、まさか糖尿病の初期症状とは考えもせず、ついつい軽視してしまいがちですよね。

ですが、足の壊疽や壊死を避けるためには、これらの初期症状を見逃さないことが重要です。

その為には、自分で測定できる血糖値測定機器を所持することをおすすめします。

食前に血糖値が高い状態が続くようであれば、糖尿病の初期症状の可能性がかなり高く、早期に医師の診断を受ける必要があります。

早期発見のためには!

  • 糖尿病にどのような症状が現れるのかを知っておく
  • 普段から自分の足や体をまめにチェックする(ケガや変色がないかなど)

※ 特にむくみが引かない場合は要注意です。

などのことを心掛けるようにし、「いつもと違う」「最近急になった」など症状を感じた場合は、直ちに医師の診断を受けるようにしてください。

■ 糖尿病の症状は「目」にも現れる

糖尿病の症状は「目」にも現れます。

その症状の主なものは、以下の内容となります。

▼ 糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きる目の病気で、糖尿病患者数の増加に伴い、緑内障とともに増加傾向にあり失明の大きな原因疾患となっています。

眼球奥にある網膜の神経異常を引き起こす症状です。

網膜には動・静脈血管や光、色を感じる神経細胞が多数存在しますが、これら動・静脈血管は非常に細く、血液中のブドウ糖濃度が高くなり、血流が悪い状態が続くと損傷を受け、
徐々に血管がつまったり変形したり、出血を起こすようになります。

このため視力機能が衰え、放置すると失明のリスクが高くなります。これが糖尿病網膜症です。

▼ 飛蚊症

網膜症の進行過程で現る症状です。

網膜の一部の細胞が損傷すると、視野の中に煙の煤のようなものや、蚊のような小さな虫が飛んでいるように見える症状です。

また、網膜で出血が起こった場合は、視野全体が黒くかすんだように感じるようになります。

▼ 視力低下

網膜の中心にある黄斑細胞があり、黄斑細胞はものを見るのに最も重要な組織です。

この黄斑細胞組織に病変が及ぶと、急激な視力低下が起こります。

また、糖尿病網膜症が進行すると網膜剥離を起こすことがあり、この場合も突然の視力低下を起こします。

▼ 糖尿病網膜症の進行段階

糖尿病網膜症には3つの段階があり、それぞれ症状が異なりそれぞれの病名を持ちます。

<単純糖尿病網膜症>

初期の段階で、網膜内の細い血管に毛細血管瘤「血管のこぶ」が出来たり、この毛細血管瘤が破れて小さな点状の出血があらわれます。

次に、破れた血管から脂質が漏れ出し網膜に沈着し、「硬性白斑」と呼ばれるシミが現れます。

これら症状は、視力低下もなく傷みもないので、多くの場合は自覚症状がないので気付かないことが多いのです。

毎日、鏡で観察するようにしましょう。

<前増殖糖尿病網膜症>

上記の単純糖尿病網膜症より少し進んだ状態で、血管の損傷がさらに大きくなり、網膜に血液が行き渡らなくなって貧血状態になり機能しない細胞がでます。

網膜中央部の神経線維層には梗塞が生じ、眼底検査をすると白いもやもやした塊「軟性白斑」が確認できます。

しかし、この段階でも視力低下もなく傷みもないので気付かない場合が多いのですが、かすみ目が頻繁に現れることもあります。

<増殖糖尿病網膜症>

糖尿病網膜症がさらに進行すると、貧血状態に陥った網膜が足りない酸素を補おうと新しく血管を作り始めます。

「新生血管」と呼ぶ血管は、網膜だけでなく硝子体にも及びます。

新生血管は破れやすく、硝子体で破れて出血を起こすと前述の飛蚊症が現れあらわれ、出血量が多い場合には光を遮断するために急激に視力低下するようになります。

最悪の事態は、網膜の表面に「増殖膜」を形成し、この膜が硝子体と網膜を癒着させてしまう状況です。

この癒着が起こり、増殖膜が収縮すると網膜を引っ張るために、網膜剥離 (牽引性剥離)を起こすことが確認されています。

同時に飛蚊症や急激な視力低下が起こります。

▼ 糖尿病黄斑症(糖尿病黄斑浮腫)

糖尿病網膜症とは別に、黄斑の血管に瘤ができ、これが破れて出血が起こし、急激な視力の低下を起こす糖尿病黄斑症があります。

黄斑は網膜の中央にあり、外からの光に最も敏感な部分で、モノの見え方の大半の機能を占める重要な部分です。

ですから、この黄斑細胞が損傷を受けると視覚に大きな影響が現れます。

糖尿病黄斑症は黄斑に浮腫(液体の固まり)ができる症状で、急激に視力低下します。

糖尿病黄斑症は、初期の単純網膜症の段階で起こることもありますが、前述の増殖糖尿病網膜症の時期に最も多く発症し、失明の原因になっています。

▼ 新生血管緑内障(合併症)

合併症として、「血管新生緑内障」が起こることがあります。

「新生血管緑内障」は、網膜の新生血管が眼球を満たしている房水の流れを妨げて、眼圧が高くなるものです。

急激に眼圧が上がると目の痛み、霧視、頭痛、吐き気などの症状を起こし、進行すると失明に至ります。

▼ 検 査

糖尿病網膜症では、眼底検査や蛍光色素を持つ造影剤を静脈注射して撮影する「蛍光眼底造影検査」により眼底状態の検査します。

これら検査は、網膜の毛細血管の鮮明な画像が得られる「フルオレセイン蛍光眼底造影」という検査が使用されます。

ですが、硝子体出血が起きている場合は、より深部にある眼底まで見ることができませんので、この場合は、超音波検査(エコー)行って網膜剥離の有無を確認されます。

糖尿病黄斑症では、「光干渉断層計」という検査方法が使われます。

これはMRIのようなもので、眼底を三次元に映し出して解析する方法ですが、造影剤を血液内に送り込むようなこともなく、身体への負担もほとんどありません。

▼ 目の症状を治療

治療は、そもそも原因となる糖尿病を改善しなければなりません。

網膜症などの糖尿病による目の病床は、血糖値をコントロールすることで進行を食い止めることができます。

<レーザー治療>

また、単純糖尿病網膜症よりも病状が進んでいる場合は、レーザーを照射する網膜光凝固術が使われます。

これは、新たな新生血管の発生を抑えるために使われる施術方法で、新生血管が網膜の虚血部分にできてくることから、虚血部分をレーザーで凝固させることで、新生血管の発生を抑制する治療方法となります。

虚血部分の発生場所により、網膜の一部に照射する「局所網膜光凝固術」と、黄斑を除く網膜全体を凝固する「汎網膜光凝固術」があります。

通常、外来で3~4回に分けて行い、1回の照射時間は約15分ほどで、凝固できる部分は数百か所にもなります。
微細な虚血部分を全て凝固可能ということです。

近年では、高出力で短時間の照射が可能で、痛みが少ない「パターンスキャンレーザー」による医療機器が普及しているので、もしもの場合は、この設備がある医療機関での治療を受けるようにしましょう。(より確実です)

尚、この治療は網膜症の進行を抑え、失明を防ぐためには必要な治療で、失明を防ぐことは無論ですが、早期であれば視力の約80%に効果が見られます。

但し、もともとの網膜の状態や視力の状態により回復の度合いは異なります。

<硝子体手術>

網膜症が進行していたり、レーザー治療で効果がなかった場合などや急激に視力が低下した場合は、硝子体の手術が行われます。

またこの手術は、糖尿病黄斑症でも行われることがあります。

通常手術は局所麻酔の後、眼球に小さな孔をあけ、手術に必要な器具と照明や眼球圧力を保つための潅流液や空気を注入する器具などを入れ、出血や牽引性網膜剥離を起こしている増殖膜を丁寧に除去する手術となります。

また、網膜剥離により網膜がずれている場合は眼内に空気を入れ、網膜を元の場所に戻す処置も行われます。

但しこの手術でも、視力を完全に回復させることは出来ません。

▼ 治療のまとめ

加齢に伴い定期的な目の検診は必要ですが、とりわけ糖尿病と診断された時点から、眼科での定期検診を受けることは不可欠です。

糖尿病と同じように、糖尿病網膜症も初期にはほとんど自覚症状がありません。

「見えるから」「視力が落ちていないから」と油断していると、取り返しのつかないことになります。

初期の単純糖尿病網膜症の段階を過ぎると、治療しても網膜の状態は元に戻らないことがほとんどです。

現状を維持すること、進行を止めること、再燃を防ぐことが治療の目標になります。

治療後も引き続き、血糖コントロールをきちんと行い、定期的に検診を受けます。

血糖コントロールがうまくいかないと、再燃する危険性が高いからです。

また、糖尿病網膜症を進行させる要因として、糖尿病だけでなく、脂質異常症や高血圧の関与も指摘されています。

これらの生活習慣病全般について、予防に努めることが必要です。

■ 糖尿病の症状は爪にも現れる

糖尿病の初期症状として、特に足爪にも異常が現れる場合があります。

糖尿病は血糖値の高い状態が長期間続いているため、心臓から遠い足の血流が悪くなります。

また、動脈硬化も起こりやすくなり、血管が劣化して指先などの末端の毛細血管が消滅する場合があります。

この為、爪やその周辺の皮膚に十分な栄養が送られなくなり、爪の成長にも影響が現れるのです。

▼ 爪が白く濁る

爪の表面が全体に白く濁る症状が現れます。

健康な場合は、ある程度の艶があり皮膚と同じような色合いをしていますが、症状が現れると明らかな違いに気付くことができます。

通常は、全ての爪に同時に現れることはなく、徐々に進行していきます。

また、弾力がなく固くなり進行するとボロボロと欠け落ちたりします。

内蔵に疾患のある場合にも同様な症状がでます。

▼ 巻き爪

巻き爪は靴の形やサイズが合っていない場合などにも起こりやすいのですが、糖尿病による巻き爪は過度な巻き方をします。

最悪は爪の先端が、皮膚に食い込むような場合もあります。

また、糖尿病の症状から足の感覚が鈍くなっている場合(神経障害)もあり、爪が食い込み始めても気付かない場合もあります。

傷ついた皮膚から雑菌が入り繁殖して細胞を破壊し、壊死に繋がることもありますから、注意が必要です。

▼ 横向きに線、溝が入る

血液循環が悪くなると、爪の成長が不規則となり、横方向の線や深い溝ができることがあります。

通常は縦線があるのですが、横線が出た場合は明らかに異常があります。

■ まとめ

糖尿病は、このようにさまざまな症状が現れます。

根本的に血流が悪くなることから起きる症状なのすが、特に心臓から遠い部分の毛細血管の損傷や血流不足による症状です。

これは末端細胞への栄養素不足や貧血状態から起こりますが、最も深刻な状態は、血流不足による免疫機能の低下です。

本来、健康な状態で十分に血流があれば、傷などから侵入した雑菌などは白血球により処理されますが、この免疫機能が低下しているために雑菌などが繁殖して細胞破壊が進行してしまいます。

いわゆる、壊疽、壊死の状態です。

この状態は進行すると骨にまで至り、命と引き換えに切断しなければならなくなるのです。

ですから、難しいのですが自己診断による初期症状を見逃さないことが重要なのです。

極度な視力低下や失明、足の切断、などにならないよう、日頃から身体の観察を怠らず、いち早く異変に気付くようにしなければなりません。

  • 身体がだるい!
  • 日中でも眠い!

顔や足のむくみが頻繁!

などの体調の場合は、特に注意深く身体の観察をするようにしましょう。

また、糖尿病の早期発見には一定期間の血糖値測定が自己診断では欠かせないことです。

健康診断や病院での一時的な検査では、初期状態では発見できないのが糖尿病の恐ろしさでもあります。

最近では、自分で測定できる血糖値測定器が市販されていますので、利用すると早期発見に役立ちます。(糖尿病早期発見で紹介しています)

また、食生活にも注意する必要があります。

近年の糖尿病患者数の増加は、食事による摂取カロリーの増加が原因と言っても過言ではありません。

特に糖質主体の加工食品の多い食生活では、常に糖尿病のリスクを意識しなければなりません。

バランスの良い食事と適度な運動を心掛け、健康で楽しい毎日にしたいものです。

貴方は大丈夫ですか!!

このページの先頭へ