健康維持のカギとなる代謝と睡眠について

睡眠

心地よい眠り

人や動物の体には免疫システムがあり、外から侵入する有害なものから体の細胞と機能を守り生命を維持しています。

そして、この免疫システムは体の老化細胞の修復や排除などの代謝にも大きな役割を担っています。

近年、代謝と睡眠の関係が国立大学法人 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構の報告により、更に具体的にされています。

ここでは、最新の免疫システムと睡眠の関係についてわかり易く解説しています。

■ 睡眠の状態

眠りの深さを表現するもので、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」「中途覚醒」がありますが、以下の違いで区別されています。

○ ノンレム睡眠

比較的に浅い眠りの状態が継続しますが、以下の段階をノンレム睡眠とされています。

  • N1段階 入眠初期の浅い眠りの状態
  • N2段階 N1の浅い眠りからやや深い眠りの徐波段階へ移行している段階
  • 徐波段階 脳波がゆっくりとなる深い眠りの状態

○ レム睡眠

徐波段階で周期的に起こる睡眠状態で、筋肉活動が停止(抑制)される一方で、高速眼球運動が起きている睡眠状態をレム睡眠としています。

○ 中途覚醒

正常な睡眠途中で、一晩に数回は短時間の脳波上の覚醒状態が起こる。

この、「ノンレム睡眠」「レム睡眠」「中途覚醒」は脳波測定と同時に睡眠時観察により状態判断される。

■ 睡眠と代謝について

睡眠時に細胞修復や成長などの代謝が行われることは解明されていましたが、どの段階での睡眠状態が活発に行われるかについては明らかではありませんでした。

この睡眠状態でのエネルギー消費量と炭水化物酸化量を測定することで、睡眠段階と代謝度合いが解明されました。

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構研究グループは、睡眠の時間経過により代謝量が変化し、更に前項の各睡眠段階に於いても代謝量が変化することを確認した。

これは、高性能なヒューマンカロリメーターによる測定と統計学的手法(セミパラメトリック回帰分析)を組み合わせることにより、各睡眠状態のエネルギー消費量と炭水化物酸化量の測定データを根拠としています。

具体的には以下の内容が報告されています。

◯ 睡眠段階のエネルギー消費量の多い順

中途覚醒>レム睡眠>睡眠段階 N1>睡眠段階 N2>徐波睡眠

◯ 睡眠段階の炭水化物酸化量の多い順

中途覚醒>睡眠段階 N1>レム睡眠>徐波睡眠>睡眠段階 N2

このことから、代謝量は入眠以降の時間経過および、各睡眠ステージの影響を受けて変化していることが明らかとなり、中途覚醒からレム睡眠段階での代謝が活発であることがわかります。

睡眠と代謝との関連には、解明されていない部分が多く残されています。本研究では、時間分解能に優れた高性能なヒューマンカロリメーターを使用することで、エネルギー消費量のみならず、基質酸化量の睡眠中の経過について重要な知見を得ることができました。また、統計学的手法を用いることで、時間および睡眠段階の影響をそれぞれ調整し、睡眠時エネルギー代謝の実態を明らかにすることができました。今後さらに睡眠と代謝をつなぐメカニズムが解明されれば、睡眠へのアプローチにより、肥満や糖尿病などの内分泌疾患の予防や改善が見込まれる可能性があります。
出典:国際統合睡眠医科学研究機構の報告

■ 免疫力と睡眠

前項で説明している代謝ですが、代謝には「基礎代謝」「新陳代謝」「エネルギー代謝」など、様々な代謝があります。

免疫システムを常に高めておくには、これらの代謝が正常に行われていなければなりません。

健康な状態とは、免疫システムが正常な状態であると言えますが、逆に病気など体調不良になる場合は免疫力が弱まった結果とも言えます。

代謝と免疫力は密接な関係があり、十分な代謝が行われるようにしっかりと睡眠をとりましょう。

一般的に7時間以上の睡眠時間が必要と言われていますが、少なくとも数回の中途覚醒が行われるほどの深い眠りであるレム睡眠状態にならなければなりません。

ノンレム睡眠からレム睡眠に移行するには、早くても2時間程度が必要ですから、早めの入眠できるように生活サイクルを注意しましょう。

また、免疫の細胞も新陳代謝を繰り返して新しく入れ替わっています。

新たな免疫細胞を作り続けるためには、偏りのない食生活に加え十分な睡眠時間の確保は健康維持にとても重要なことなのです。

 

 

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